遠赤外線ブラックパネル。それは、わたしたち独自の着想から生まれました。

暖かい空気は、必ず下から上にあがっていく

この原理原則に沿った床暖房の将来性を、エコミナミ先代社長である村上誠はいち早く見抜いていた。しかし、当時の床暖房は床だけが暖かい、いわば電気カーペットの延長のようなもので、とても主暖房とはなりえない。また漏水リスクが高く、床に埋め込むために欠かせない耐久性もなかった。一時、ブームとなった蓄熱式にしても、厳冬期以外は温度調整がむずかしい。などなど、多くの課題を抱えていた。よし、自由自在に設計・敷設でき、設置工事が簡単で、放熱能力が高く立ち上がりも早い、絶対に漏水しない堅牢なシステムを自らの手で開発してやろう。そうした思いを胸に、エコミナミの挑戦はスタートを切った。

めざしたのは、陽だまりのような暖かさ

村上の頭には、明確なイメージがあった。冬の冷気のなかでも、陽が差すとなぜ暖かく感じられるか、そこにヒントを得ていた。太陽光線中の波長が、肌表面にある温感ポイントを刺激し、心地よさを感じるスイッチが入る。すると細胞内の分子が共振しはじめ、熱を発して身体を内まで暖める。いわゆる輻射熱による遠赤外線効果を、最大限に活用できる床暖房システムを思い描いていたのだ。これを実現できれば、循環させる温水を高温にしなくても、人に暖かさを感じさせられる。人体から放出される熱で、室温も上げられる。ランニングコストや温度差による床材の変形の心配も抑えられる。いいことづくめだ。暖房を意識させない暖房で、きれいな空気に満たされる健康空間を広げようと、意を強くしていた。

放熱能力、輻射率を高めるには、ブラックパネルだ

まずは既存の遠赤外線高放射パネルをベースに、神奈川県立産業技術総合研究所の協力を仰ぎながら研究を進めた。床暖房をエアコンの補助ではなく、主暖房として使用できるようにするには? どうしたものかと思案するなかから、アルミに塗装を施せば輻射率を上げられ、パネル自体から遠赤外線を発するようにできるのでは、というアイデアが浮かび、さっそく実験にとりかかった。目標は高く、NASAの1981年の発表において、人の細胞がもっとも活性化するとされた8〜14μの育成光線と呼ばれる波長を出すこと。しかし、アルミは塗装がつきにくく、また剥がれやすいという難題にいきなりぶつかってしまった。どの種類の塗料を、どう配合すれば、しっかりと塗装できるか。「ブラック」がいちばん有効であろうと思ってはいたが、果たしてほんとうか。幾度も幾度もトライ&エラーを重ねることとなった。そしてようやくたどり着いたのが、「やっぱりブラック!」との結論。輻射率が高く、効率よく遠赤外線を発する、エコミナミ オリジナルの遠赤外線ブラックパネルが誕生したのである。

日本初*の床下工法を実現、リフォームの道をひらく

「家を新築したのだけど寒くて。これから床暖房を入れられないかな」と、あるお客様から相談を受けた。床を剥がすことなく、床下にパネルを入れ、下地ごと床を暖める?
話を聞いてすぐはそんなこと無理だと思った。しかし、これをかなえれば、リフォームの道がひらける。床暖房の普及を加速できる。ならば、なんとしてでも実現させようと。
さっそく社内での評価試験、そしてフィールドテスト。結果は想像以上のもので、1995年10月には商品化へ。日本初の床下工法による施工第1号として、先のお客様にもとても喜んでいただけた。以来、床下工法でのリフォームを数多く手がけ、実績を重ねてきた。リフォームで床暖房、その先駆けとして、今日あたりまえとなるまでに広げてきたのである。さらに、在来工法に向けた根太間工法パネル。住宅建築の主流となってきた平床向けの平床工法パネル。12mmの圧縮木材MDFを用いたパネル。床下工法向けの新パネルや土足空間用のシステムなど、いまも開発はつづいている。
*温水式床暖房システムとして。当社調べ

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